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保育園の基礎知識

【保育園の感染症対策】保育園でできる吐しゃ物の正しい処理方法まとめ

保育園や幼稚園では、集団で子どもたちが過ごしているので、飛沫感染や接触感染により感染症が増加してしまう傾向にあります。

特に感染力が強いものだと一気に広がってしまう可能性があるので、感染を早期に発見し予防することが大切です。

 

保育士は、子どもの様子を把握・確認するためにも季節でどのような感染症があるのかを知っておくことが重要です。

今回は春と夏に流行しやすい感染症について解説します。

1、春と夏は環境の変化による体調不良が続くことが多い

インフルエンザなどの感染症が一段落しても、春になると入園や進級があるために、環境の変化により精神的にも身体的にも負担が大きくなってしまい、体調不良になりやすい季節が到来します。

 

体調を崩す子どもが多くなる保育園や幼稚園の場合は、集団で日中の生活を行いますので、感染症が見つかると迅速に正しい対応を行わなければどんどん広めてしまうこととなります。

そのため、保育士は感染症がわかると適切な処置を行ったり報告を行い、予防や蔓延しないように対処するスキルを備えておかなければなりません。

 

また、病気は必ず家で発症するのではなく、保育中に発熱を起こしたり症状が現れることがありますので、保育士は子供の様子をしっかりと観察し、体調の変化に注意して保育を行うことが大切です。

まずは、季節によってどのような感染症が流行しやすいのかを知り、感染症別の症状や対処方法などを総合的に把握しておきましょう。

2、春と夏に流行しやすい感染症の対策や予防法について解説

春から夏にかけては、インフルエンザのようにメディアで話題になるような感染症は少なくなりますが、それでも多くの感染症がありまだまだ注意は必要です。

特に乳児の場合には、早期発見しなければ重症化してしまうこともありますので、保育士は常に子どもの体温や様子を確認しておくようにしましょう。

それでは、春と夏に流行しやすい感染症について解説します。

 

【溶連菌感染症】

子どもがかかりやすい感染症として代表的なものが溶連菌感染症です。

溶連菌感染症は、溶結性連鎖球菌という細菌によって引き起こされる感染症で、のどの痛みや発熱を引き起こします。

溶結性連鎖吸引にはa溶血とβ溶血がありますが、人に感染するのはβ溶血になり、そのβ溶血の中でもA群、B群、C群、G群に分かれます。

溶連菌感染症と一般的にいうのは約90%がβ溶血のA群から発症しますのでA群β溶血性連鎖球菌といいます。

溶連菌はのどに感染しすので、症状としても喉の痛みが大きくあり、それ以外には発熱や肺炎、中耳炎などを併発することがあります。

 

『潜伏期間』

2日~5日

 

『症状』

・喉の痛み

・38度以上の高熱

・手足や体に赤い発疹

・イチゴ舌

・頭痛

・リンパ節の腫れ

・腹痛

 

先ほど解説したように、喉の痛みと発熱が代表的な症状になりますが、3歳未満の場合には高熱がない場合が多く、一見すると溶連菌感染症と判断出来ず風邪の症状と見えることがあります。

しかし、舌に発疹が現れるイチゴ舌や、手足に赤い発疹が出ることがあり、リンパ節の腫れが見られる場合もありますので、このような場合には溶連菌感染症の疑いがあります。

 

また、一般的な風邪と異なり咳や鼻水といった症状は現れないことが溶連菌感染症の症状の大きな特徴です。

保育中に発熱やのどの痛みなどがあるのに、咳や鼻水が見られない場合には溶連菌感染症の可能性があるということを覚えておきましょう。

 

溶連菌感染症の場合、重症化してしまうと心臓弁膜に障害を起こしてしまうリウマチ熱や急性糸球体腎炎になってしまう可能性がありますので、症状が見られた場合にはすぐに医療機関を受診しましょう。

 

『対処・予防』

溶連菌感染症は感染した園児がいると、飛沫や接触から感染が拡大しています恐れがある感染症になりますので、登園することは出来ません。

文部科学省や厚生労働省のガイドラインでも定められており、適切な抗菌薬による治療を開始してから24時間~48時間を経過していなければ出席停止になりますので、登園させないようにしましょう。

 

保育中に溶連菌感染症の疑いがある場合には、感染している可能性がある園児を別室や保健室へ移動し、感染拡大を予防することが大事になります。

喉の痛みや熱などが見られたら、すぐに保護者へ連絡しお迎えに来てもらいましょう。

 

そして、そのまま病院を受診してもらうようお願いし、5分~10分程度で診断が出来る迅速検査で溶連菌感染症かどうかを検査してもらう必要があります。

溶連菌感染症は抗菌薬をきちんと決められた量、回数を飲むことで2日~3日で症状は緩和されます。

 

しかし、症状は消えても必ず医師から処方された分は飲み切る必要がありますので、保育園でも服薬管理が必要になる場合がありますので、その場合には保護者や医師と保育士がしっかりと連携していくだけでなく、保育士同士でも服薬について理解しあうことが大切です。

また、保育中に溶連菌感染症の可能性が分かった場合には、対象となる園児が使った食器類やタオルなどが他の園児に触れないようにしましょう。

 

手洗いうがいの徹底やマスクの着用などを行うことで予防効果が上がります。

 

『登園可能になる日数』

溶連菌感染症は飛沫感染などで移りますので、感染力が強い間は登園することが出来ません。

文部科学省の「学校において予防すべき感染症の解説」では(適切な抗菌薬療法開始後24時間以内に感染力は失せるため、それ以降登園、登校は可能である)と定められています。

溶連菌感染症は医師から処方された薬をしっかりと服用すれば、感染力は24時間程度でなくなりますので、他の人や園児へ移す可能性は低くなりますが、まだまだ本人の体調がすぐれない場合がありますので、無理はせずに医師と本人の様子をしっかりと観察して十分に回復してから登園するのが良いでしょう。

 

【麻しん(はしか)】

麻しんははしかとも言われ、保育園だけでなく現在は大人の間でも流行しやすい感染症の1つです。

麻しんはパラミクソウィルス科に属している麻しんウィルスに感染することで発症します。

人から人への感染がありますので、保育園でも1人が感染すると他の園児や保育士に感染する可能性がありますので、麻しんの可能性がある場合には早急に医療機関を受診するように勧めましょう。

また、麻しんは予防接種を受けると感染を抑えることが出来ますので、児童表などで園児と予防接種を受けられているかを確認しておくことも大切です。

 

『潜伏期間』

8日~12日

 

『症状』

・38度前後から40度近い発熱

・咳、鼻水

・結膜炎に似た症状

・口の中から体へ白い斑点が出る

 

麻しんの場合、症状は大きく3つの段階に分かれておりそれぞれの期間で症状が異なります。

初期症状であるカタル期だと38度前後の熱が数日続き、咳や鼻水といった風邪の諸症状が見られますが、麻しんだと気が付くことは少ないでしょう。

風邪に似た症状の後に、めやにや目の充血といった症状が現れ、口の中に白い斑点が数個現れてきます。

 

この斑点はコプリック班といい、麻しんでは代表的な特徴で、コプリック班が現れると麻しんの可能性が非常に強くなります。

また、カタル期が最も感染力が強いので、出来る限り早期に麻しんと診断され対処することが感染拡大を予防することへ繋がります。

 

カタル期が過ぎると体温は一時的に下がりますが、その後再び40度近くまで上がり発疹が現れるようになります。

この発疹は、顔や首あたりから体中に広がっていき高熱と発疹が続きます。

これを発疹期といいます。

 

発疹期の後は、回復期になり体に出来た発疹が黒く沈下していき熱も下がっていき回復します。

回復期ではまだまだ免疫力が低下している上に、長く続く高熱のために体力自体も低下した状態ですので、しっかりと休養のために安静にすることが大切です。

回復期に肺炎や中耳炎、クループ症候群といったった合併症になる可能性がありますので、しっかりと注意深く子どもの様子を観察することが大切です。

 

また、麻しんの場合4年~8年後に亜急性硬化性全脳炎(SSPE)という病気を発症する可能性があります。

10万人に1人程度の割合で少なくはなりますが、決してゼロではありません。

保育士は麻しんに感染した園児をしっかりと様子を確認して保育を行うようにしましょう。

 

『対応・予防』

麻しんの様な症状が現れたら、まずその園児を保健室や別室へ移動しましょう。

保護者へ連絡を行いお迎えに来てもらいそのまま医療機関の受診をするように伝えます。

また感染の拡大を防ぐために、マスクを着用し手洗いうがいを徹底しましょう。

 

麻しんのウィルスは消毒薬が効果的ですので、保育室や子どもの手などの除菌を心がけていきます。

麻しんは現在予防接種で定期接種に指定されていますので、ほとんどの園児が予防接種を受けていることになりますが、クラス内で麻しんの園児が出た場合には保育園全体で保護者へ母子手帳を確認して麻しん風疹の予防接種を受けているかを確認してもらうようにお願いしましょう。

 

そして、予防接種を受けていない場合であれば速やかに受けてもらうように伝え、接種済みの園児は登園前に必ず検温を行いってもらい体調を確認してもらいます。

生後6か月までの園児の場合には、保護者の母親の麻しんの罹患歴や予防接種を確認してもらいましょう。

母親が麻しんの罹患経験があったり予防接種を受けていた場合には、麻しんに対する免疫をもらっている可能性がありますが、予防接種も罹患歴もない場合には感染する可能性が高くなりますので、かかりつけ医などに速やかに相談するように伝えましょう。

 

『出席停止期間』

麻しんは感染力が強く飛沫感染や接触感染で移ってしまう可能性がありますので、出席停止になる感染症です。

登園可能になるのは、解熱後3日以上すぎてからになりますが、子どもの体力の低下が見られた場合には安静にするようにしましょう。

保育園の中には登園許可書がいる場合もありますので、確認をしておくと安心です。

 

【風疹】

最近猛威をふるったことでも関心が広まった風疹ですが、子どもの中でも感染力が強い感染症の1つです。

風疹は風疹ウィルスに感染することで発症しますが、一見風邪の症状と区別がつきにくい上に、症状が出ない場合もあり知らない間に感染を広めてしまうことがあります。

風疹は子どもの病気のイメージが強いですが、現在は定期予防接種が定められていますので、感染者の約9割は予防接種を受けていなかったり抗体が少ない大人になります。

 

また、風疹は大人の中でも妊娠中の方が感染してしまうと赤ちゃんに障害が残る可能性があります。

妊娠20週までの妊婦が感染してしまうと、先天性風疹症候群という病気を発症する場合があり、難聴や目の病気、発育の遅れなどの影響を及ぼしてしまう危険があります。

保育園や幼稚園の場合には、保護者に妊婦の方がいることがありますので保育園で予防接種の確認や予防の徹底に努めましょう。

 

『潜伏期間』

14日~21日程度

 

『症状』

・38度前後の発熱

・リンパ節の腫れ

・目の充血

・赤い発疹

・咳

・関節痛

 

風疹の症状は38度前後の発熱から始まり、その後小さく赤い発疹が全身に現れることが特徴として挙げられます。

他にも咳やリンパ節の腫れなども症状として現れることがありますが、必ずしも現れるとは限りません。

子どもの場合、症状があまり現れることなく発疹が出て気が付く、ということもあります。

 

発疹が症状として現れる感染症は他にもありますので保育士が勝手に判断することは危険です。

必ず医療機関を受診して診断を仰ぐように保護者へ連絡しましょう。

 

『対応・予防』

風疹は感染した際の特効薬はなく、あくまでも対処療法になります。

保育園ではお迎えまでの間に、脱水症状にならないように水分を適宜与えたり、熱がある場合には体を冷やしたりして様子を見ましょう。

風疹は感染力が強い疾患になりますが、予防接種をきちんと受けると感染をほぼ防ぐことが出来ます。

 

現在は定期接種になっていますので、保育士は事前に予防接種を受けているかを確認しておき、まだ受けていない方には受けるように勧めましょう。

また、風疹は飛沫感染や接触感染により移ってしまいますので、手洗いうがいやマスクの着用を行うことが予防に繋がっていきます。

 

『出席停止期間』

全身の発疹が消えると登園、登校が可能になります。

風疹も登園許可書が必要になる場合がありますので、確認しておきましょう。

 

【水ぼうそう】

水ぼうそうは水痘・帯状疱疹ウィルスに感染することで体中に発疹が現れる子どもにう多くみられる感染症です。

水ぼうそうは発疹が出てくると一週間程度で落ち着きますが、中には発疹が細菌感染を起こしてしまい化膿したり敗血症をおこす危険がありますので、水ぼうそうかもしれないと感じたらすぐに医療機関を受診することが大切です。

 

冬の終わりから春にかけて流行しやすく、感染力が高いので園全体に広がることがあります。

しかし、2014年からは水ぼうそうの予防接種が定期接種になりましたので、以前と比べると感染者の数は激減してきています。

 

『潜伏期間』

10日~21日

 

『症状』

・全身に水ぶくれ状の発疹

・発熱

・倦怠感

・頭痛

・食欲不振など

 

水ぼうそうの最大の特徴は、何といっても小さな水ぶくれ状の発疹が現れることです。

この発疹は1mmから4mm程度で最初は赤く腫れ、その後透明であったり黄色い水ぶくれになって現れることが多く、この水ぶくれがつぶれるとどんどん他の園児や保育士へ感染していきます。

発疹は最初頭や顔付近に現れその後、体中に広がっていき、最後に手足に現れます。

 

強いかゆみを伴っていますので、子どもが掻くのを抑えるのが難しくかきやぶってしまいます。

また、発疹は紅斑から丘疹、水疱、痂皮になり沈下していきますが、最初はどんどん発疹が作られていきますので、全ての段階の発疹が混在してしまうことも特徴の1つです。

 

『対処・予防』

水ぼうそうの可能性がある園児が出た場合には、その園児が使用していた食器やタオルに他の園児が触れないようにします。

水ぼうそうは接触感染や飛沫感染だけでなく、空気中にウィルスが飛散してしまい感染する空気感染もありますので注意が必要です。

顔を近くに合わせたり密着しているといった濃厚接触の場合には5分、空気感染で同室にいた場合でも1時間程度で感染する可能性があります。

 

また、予防接種をしているかどうかも事前に確認しておくことが大切です。

多くの大人は幼少期に水ぼうそうに感染していますが、中には大人になってから感染する方もいます。

 

風疹と同様に妊娠中に水ぼうそうに感染してしまうと胎児が先天性水痘症候群になる危険がありますので、必ず予防接種を行っているかを調べておくことが大切です。

水ぼうそうは予防接種で感染を予防することが出来ますので、予防接種がすんでいるかを確認しまだの場合には速やかに接種してもらうようにお願いしましょう。

 

『出席停止期間』

水ぼうそうはインフルエンザなどと同じように感染力が強い疾患になりますので、水ぼうそうにかかった場合には登園することは出来ません。

水ぼうそうの全ての発疹がかさぶた(痂皮化)になるまでは登園することは出来ませんので、自宅で安静にしておきましょう。

 

【ヘルパンギーナ】

ヘルパンギーナは初夏に流行しやすい感染症の1つで、乳幼児に多く見られます。

コクサッキーウイルスA群というウィルスに感染することで発症しますが、ウィルスの型が多くあり、何度も感染してしまう子どももいます。

喉の痛みが強いので、食べることを嫌がったり、吐いてしまう子もおり、脱水症状に陥りやすいため夏は特に注意が必要です。

 

『潜伏期間』

2日~4日

 

『症状』

・39度以上の高熱

・のどの腫れ

・喉に水疱が出来る

・喉の痛み

 

ヘルパンギーナは代表的な夏風邪で、特に高い発熱と喉の痛み、喉の水疱が特徴的な症状になります。

39度以上の高熱が1日~3日程度続いた後、喉が赤く腫れてきて水疱が出てきます。

水疱は2日~3日程度続いたらつぶれてしまいますが、その後さらに喉の痛みが強くなります。

 

一週間程度で快方へ向かいますが、その間食欲だけでなく、飲み物も嫌がることがあります。

しっかりと子供の様子を確認して変化があった場合には、すぐに医療機関を受診しましょう。

 

また、ヘルパンギーナは熱性けいれんや髄膜炎といった合併症を伴う場合があります。

嘔吐が続いたり頭痛が見られる場合にはすぐに受診しましょう。

 

『対応・予防』

保育園でヘルパンギーナの疑いがあれば、保護者に連絡をしてお迎えに来てもらい医療機関を受診してもらうようにお願いしましょう。

喉の痛みが強いので、飲み物などを嫌がる場合がありますが、無理に飲ませるのではなく、少量ずつ飲み物を与えるようにしましょう。

ヘルパンギーナは飛沫感染、接触感染、糞口感染が主な感染経路です。

 

保育園や幼稚園で感染しやすいのは、園児が自分で衛生管理を行うことが難しいためです。

そのため保育士は手洗いうがいを徹底し、こまめに消毒を行いましょう。

また、ヘルパンギーナは1カ月は便からウィルスが排出されますので、他の園児に移らないようにするだけでなく、保育士自体も感染しないようにおむつ替えは注意を払うようにしましょう。

 

『出席停止期間』

ヘルパンギーナは感染症ではありますが、出席停止には指定されていません。

熱が下がり食事がとれるようになれば登園してもよいでしょう。

 

【手足口病】

手足口病は春から夏にかけて流行し、7月にピークを迎える感染症です。

感染力が強いので、保育園で1人感染してしまうとどんどん広まってしまう恐れがあります。

手足口病はエンテロウイルスとコクサッキーウィルスなどのウィルスに感染することで発症しますが、5歳未満の大部分が1度は感染すると言われています。

名前の通り手足と口の中に症状が現れます。

 

手の平や足の裏に発疹が現れるだけでなく、口の中にも水疱状の発疹が現れるので、食べることを嫌がったり、飲み物を受け付けなくなることもあり、季節も相まって脱水症状にならないように気を付けなければなりません。

また、エンテロウイルスに感染した場合には無菌性髄膜炎に感染する可能性が高くなり重症化する恐れがあります。

手足口病は多くのウィルスの型がありますので、何度も感染する可能性があるのも危険の1つです。

 

体力が少なく、濃厚接触を起こしやすい保育園や幼稚園児の場合、同じ季節内で何回も感染してしまった、ということもありますので注意が必要です。

保育士は手足口病の疑いがある園児を見かけたら、タオルや食器を共用しないようにするだけでなく、別室へ移動し休ませるなどの対応を行いましょう。

 

『潜伏期間』

3日~6日

『症状』

・手、足、口の中に水疱状の発疹

・発熱

・爪がはがれる

 

手足口病の最も大きな症状の特徴は手の平や足の裏、口の粘膜などに水疱状の発疹が現れることです。

発疹は水ぼうそうのように、1週間程度は水疱状に現れますがかさぶたになることはなくそのまま沈下していきます。

 

また、発熱も小児には多くみられる症状で1日~3日程度発熱が見られますが39度以上の高熱になることは少なく、数日で解熱します。

手足の爪付近に発疹が現れますが、手足口病は治ってから1カ月程度後に爪がはがれてしまったり爪が変形してしまうケースがあります。

 

これは、コクサッキーウイルスA16というウィルスに感染した場合に起こる症状になりますが、はがれたとしても自然に治ったり爪が生えてきますので、過剰な心配は必要ありません。

しかし、手足口病は合併症を起こすと重症化してしまう恐れがありますので、以下のような症状が現れた場合には速やかに医療機関を受診するか救急へ連絡するようにしましょう。

 

◆重症化した場合の症状

・嘔吐を繰り返す

・頭を痛がる

・視線が合わず呼びかけに応答しない

・ぐったりしている

・おしっこが出ていない

・苦しそうな呼吸音

 

手足口病は髄膜炎や小脳失調症など中枢神経系の合併症を引き起こす可能性があります。

子どもの様子がおかしいと思った場合には、すぐに救急車を呼ぶうようにしましょう。

 

『対応・予防』

手足口病は飛沫感染、接触感染、糞口感染になりますので、保育園では子どもが一人感染してしまうと、次々移ってしまう危険があります。

感染している園児が出た場合には、手洗いうがいを徹底していくことに加えて、手足口病のウィルスはアルコールに弱いのでアルコール消毒も積極的に行いましょう。

 

かかってしまった場合には、脱水症状にならないように冷たい飲み物やのど越しの良いゼリーなどを与えるようにし、お迎えを待ちましょう。

手足口病の場合、便からは1カ月程度ウィルスが排出するので、保育士だけでなく他の園児も手洗いうがい、消毒を徹底することが大切です。

 

『出席停止期間』

手足口病の出席停止期間は設けられていませんが、厚生労働省の『保育所における感染症対策ガイドライン』では発熱や口腔内の水疱や潰瘍の影響がなく普段の食事がとれることとと記されていますので、熱が下がり普段通りの食事を摂ることが出来るようになれば登園することができるでしょう。

 

しかし、体に出来た水疱がつぶれてしまうと、他の人に感染してしまう恐れがあります。

発疹が完全に治るまではプールは避けてもらうようにお願いしましょう。

【咽頭結膜炎(プール熱)】

咽頭結膜炎はプール熱ともいわれ、年間を通して見られますが、夏に多くみられる感染症です。

アデノウィルスが原因となり、プールの水から人へ感染を広げていきますので、保育園では集団で感染してしまうこともあります。

 

喉の痛みが強く、結膜炎や高熱が続くので、体力が低下してしまったり、喉が痛いために水分を取ることを嫌がったりして脱水症状に陥るケースもあります。

子どもの様子をしっかりと観察し、変化があればすぐに受診することが大切になります。

 

『潜伏期間』

2日~14日

 

『症状』

・39度以上の高熱

・喉の痛み

・目の充血、結膜炎の症状

・腹痛

・咳や鼻水

 

咽頭結膜炎は39度以上の高熱が続くことに加えて、喉の強い痛みや目の充血といった結膜炎の症状が現れます。

基本的には発熱と喉の痛み、結膜炎の症状が現れますが、全てが現れない場合もあるので気が付かない可能性もあります。

 

結膜炎は充血が強く目やにが止まらなかったり、非常に眩しがったりすることがありますので、覚えておくと早急に気づくことが出来ます。

 

他にも腹痛や咳といった風邪の症状も合わせて起きることがありますので、一見するとプール熱と気が付きにくいこともあり、感染を広めてしまう危険があります。

基本的には予後は良好な感染症ですが、咳がひどい場合には肺炎になる可能性があり注意が必要です。

 

『対応・予防』

アデノウィルスは接触感染や飛沫感染によって感染が広まります。

プールがある季節には、タオルなどの共用を避け、手洗いうがい、消毒を徹底することが最大の予防に繋がります。

アデノウィルスは多くの消毒薬に対して強くなりますので、次亜塩素酸ナトリウムなどの強い消毒でないと完全に予防することは難しくなります。

ですので、共用するスペースや物に関しては次亜塩素酸ナトリウムか、消毒用エタノールで除菌をこまめに行いましょう。

 

園児に対しては、手洗いうがいを徹底していき双方から予防を行うことが重要です。

また、プール熱も1カ月程度は便からアデノウィルスが排出されますので、感染する可能性があり注意が必要です。

プール熱の可能性がある園児は、別室にて休ませてあげすぐに保護者へ連絡しお迎えに来てもらいましょう。

 

その際に、脱水症状ならないように水分補給を行ったり、体調の変化がないかを観察し伝えていきましょう。

 

『出席停止期間』

プール熱は解熱し、喉の痛み、結膜炎の症状が完全に消えてから2日を経過すれば登園することが出来ます。

しかし、プールに入ることが出来るかは医師の許可を得てからにしましょう。

【ヒトメタニューモウィルス感染症】

近年話題になるのがヒトメタニューモウィルス感染症です。

一般的には風邪で終わるのですが、乳幼児や高齢者が感染すると重症化しやすくなりますので、保育士としては注意しておくべき感染症の1つです。

 

ヒトメタニューモウィルス感染症は2歳までに約半分が感染すると言われていますが、水ぼうそうのように、1度感染したら2度と感染しないのではなく、抗体がつかないために何度も感染してしまいます。

 

『潜伏期間』

3日~5日

 

『症状』

・高熱

・咳

・鼻水

 

ヒトメタニューモウィルス感染症は乳児に多いRSウィルス感染症と似た症状で、一般的な風邪症状になります。

1歳以上で感染しやすくなり、まれに喘息やクループ症候群、肺炎や気管支炎になり重症化してしまうことがありますので注意しましょう。

 

『対応・予防』

ヒトメタニューモウィルス感染症は接触感染、飛沫感染が主な感染経路です。

ですので、手洗いうがい、消毒を行うことが最大の予防に繋がります。

 

保育園の場合、集団生活になりますのでどうしても共用するものが出てきてしまいます。

保育園ではおもちゃや共用部分の消毒を小まめに行うことが重要です。

ヒトメタニューモウィルス感染症は解熱してしまうと、一気に感染力が低下しますので発熱が見られる時には他の園児とは別室で安静にしてあげましょう。

 

『出席停止期間』

ヒトメタニューモウィルス感染症は出席停止の感染症に指定されていませんので、解熱すれば登園することが出来ます。

しかし、強い咳が残る場合がありますのでその場合にはマスクをしたり、安静にさせてあげるようにしましょう。

【おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)】

おたふく風邪として有名な流行性耳下腺炎ですが、ムンプスウィルスに感染することで顔の腫れや高熱が現れます。

感染するのは小児から小学校低学年までが大部分を占めますが、まれに大人も感染することがありますので注意が必要です。

 

年間を通して感染する可能性はありますが、入園時期が重なる春から夏にかけては、集団感染のリスクが高くなり人数も増加します。

また、流行性耳下腺炎は合併症を引き起こすと、難聴や不妊の原因になる可能性があります。

 

『潜伏期間』

14日~21日

 

『症状』

・顎や耳の下の腫れ

・発熱

 

流行性耳下腺炎は、名前の通り耳下腺と呼ばれる耳の下のリンパ節が炎症を起こし腫れてしまいます。

大部分の子どもは左右両方共腫れますが、中には片側だけ腫れる子どももいます。

 

また、発熱も伴いますが3日~4日程度で解熱し、腫れも1週間程度でおさまります。

しかし、中には無菌性髄膜炎や膵炎、難聴、精巣炎、卵巣炎といった合併症を引き起こす場合があります。

 

『対応・予防』

流行性耳下腺炎は、飛沫感染や接触感染によって感染を拡大していきます。

そのためマスクを着用したり、食器やタオルを共用しないようにしましょう。

また、園児には手洗いうがいの大切さを伝えていき、共用スペースの消毒も小まめに行いましょう。

ムンプスウィルスは非常に感染力が強いウィルスになりますが、耳下腺などの腫れが治まると感染力も弱まります。

 

しかし、ムンプスウィルスは潜伏期間が長く2週間程度の期間を経て発症しますが、発症前にもウィルスを排出してしまいます。

そのため、完全に流行を予防することは難しいでしょう。

 

現在は任意の予防接種を受けることが可能で、接種することで流行性耳下腺炎の感染リスクを減らすことが出来ます。

保育士は流行性耳下腺の予防接種を受けていない園児の保護者へ、予防接種を受けることで、流行性耳下腺のリスクを減らすことが出来るということを伝えて協力をお願いしましょう。

 

『出席停止期間』

流行性耳下腺炎は『耳下腺、顎下腺、または舌下腺の腫れが現れてから、5日間を経過して全身状態が良くなるまで登園することは出来ない』とされています。

しかし、腫れが5日を過ぎても収まらない場合や、他に症状が出てきた場合にはもう一度医療機関を受診するようにしましょう。

3、感染症の流行を予防するためには日ごろからの習慣付けを!

保育園は集団生活を行う上に、園児には衛生管理の概念がまだ未発達ですので、どうしても感染症が広まりやすくなります。

そのため、保育士は園児に日ごろから感染症などの病気に対しての意識を付けていくと共に、その方法も伝えていくことが大切です。

では、感染症の流行を予防するために保育士が行うこととは何があるのでしょうか?

 

①手洗いうがいの習慣付けを行う

外遊びや散歩を行った後だけでなく、食事の前やトイレの後などは手指をしっかりと清潔に保つことの習慣付けを行いましょう。

園児だけでは自分で手が汚れているかなどを判断しずらいですので、保育士が声掛けを行い手洗いうがいの習慣をつけていけるように工夫することが大切です。

うがいも同様で喉についた菌やウィルスを排除するのに効果的ですので、手洗いとセットで行えるように習慣づけを行うように指導しましょう。

 

②手洗いうがいなどの大切さを伝える

手洗いうがいを単に声掛けを行っていても、子どもにはなぜ手洗いうがいが必要なのかという本質を理解することが難しくなります。

ですので、保育士は手洗いうがいを行うことでどのような効果があるのかということを伝えていく必要があります。

手洗いうがいを行っている時に『ばい菌がいなくなったね』などとわかりやすく説明したり、紙芝居や絵本などを活用して衛生管理の大切さを伝えていきましょう。

 

③共用部分や道具はこまめに洗浄、除菌を行う

保育園は集団生活を行うので、共用部分やおもちゃを一緒に使うことになります。

ウィルスがついた手やくしゃみなどをすると、あちこちにウィルスがついてしまい、そこから接触感染に発展してしまう危険があります。

そうすると、どんどん感染症が広まってしまいます。

保育士は共用部分やおもちゃを定期的に洗ったり、除菌を行いウィルスや雑菌の繁殖を抑えるようにしましょう。

除菌スプレーなどで拭いたり、天日干し、煮沸消毒などを行い常に保育室内が清潔でいられるように配慮することが大切です。

 

④おむつの管理を徹底する

乳児の場合、保育士が日中のおむつ替えを行わなければなりません。

先ほど紹介した感染症の中でも、1カ月程度はウィルスが便から排出される場合がありますので、保育士はマスクを着けたり、おむつ替えの後は手洗いと消毒をきちんと行うようにしましょう。

4、まとめ

春から夏にかけては、進級や入園といった環境の変化があることで、精神的にも負担がかかり体調を崩しやすい季節になります。

保育園では1人感染症が出てしまうと、一気に広まってしまう可能性がありますので、日ごろから手洗いうがいの徹底や衛生管理をきちんと行い予防しておくことが大切です。

 

感染症の症状を全て把握することは難しいですが、水ぼうそうであれば水疱が出来るなど、特徴的な症状を覚えておくとすぐに気が付くことが出来ます。

保育園では季節ごとに感染症について保育士同士で確認をし合うだけでなく、常に予防意識を高めておくことが、園児だけでなく保護者や保育士が感染症にかかるリスクから守ることに繋がっていきます。


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