障害を抱えている方が思い描く自分らしい生活を送るための福祉サービスである『障害者グループホーム』。
家族と離れて支援やサポートを受けながら、少人数で共同生活を送っていき、自立や自分の目標を持つことが出来るようになることを目的として設置されるようになりました。
では、障害者グループホームへ入居するとなると、実際にはどの程度の費用がかかるのでしょうか?
また、介護保険や医療保険制度を利用することが出来るのかも合わせて紹介します。
是非参考にしてみて下さい。
目次
1、障害を抱えている人にとってグループホームは自分らしい生活を送る場
障害がある方が地域で生活を送る中で、現在は様々な福祉サービスが存在します。
中でも、障害者グループホームは、障害がある方が少人数で一緒に生活を送る障害福祉サービスの1つで一緒に暮らす生活の場を指します。
障害者グループホームは他の施設のように、入所して施設の規律に従うのではなく、少人数で一緒に暮らす中で、地域社会との交流や、多くの人とコミュニケーションをとったり、本人が望む生活を送っていくことが出来ます。
しかし、障害をかかえていると、どうしても日常生活の中で困難に感じる場面が出てきてしまいます。
そういった時には、自分で出来るように促したり、出来ない所は世話人や生活相談員がサポートや支援を行っていきます。
障害者グループホームは、アットホームな環境で家族の支援を受けずに自分の出来る事は自分で行ったり、利用者と協力して生活を送る楽しさや自立心を養っていくことが出来る事が大きな魅力です。
2、障害者グループホームは保険を利用することが出来る?
訪問介護や訪問看護等の場合、年齢や持病や障害の程度によって介護保険や医療保険を利用して自己負担額を減らすことが出来ます。
では、障害者グループホームでは介護保険や医療保険を利用することが出来るのでしょうか?
障害者グループホームは、家族から離れ一人暮らしのような形態を保ちながらも、少人数で共同生活を行っていくことで、相手を思いやり協力する力を養ったり、自分の出来ることを自分で行っていくといった自立を促すことが出来ます。
他にも、個別で最適な支援やサポートを受けることが出来ますが、このサポートの方法によって保険を利用することが出来るかが変わってきます。
障害者グループホームはあくまでも生活の場を提供することになるので、基本的にグループホームの家賃などで介護保険や医療保険を利用することは出来ません。
しかし、障害者グループホームで生活を送る中で、介護サービスやデイサービスといった福祉サービスを受ける場合には、介護保険や医療保険を活用することが出来ます。
障害者グループホームでは、家族から離れて自分らしい生活や自立した生活を送るためにサポートを行っていきますので、必要であればデイサービスや介護サービスを行います。
その際の費用は保険制度を活用することが出来る場合がありますので、どういったサービス内容が介護保険や医療保険の適用になるかをケアマネジャー等に問い合わせしてみましょう。
3、障害者グループホームでかかる費用について詳しく解説!
障害者グループホームでは一人で実家を離れ生活を行いますので、生活費がかかってきます。
障害者グループホームでかかる費用としては、
①障害者グループホーム(生活援助)に対する利用料
②障害者グループホーム(共同生活援助)を利用するにあたって必要となる食事費など
③就労サービスやデイサービスなどの利用料
④就労サービスやデイサービスを利用する際に必要な食材費
⑤その他の諸費用
があります。
それぞれどのような費用なのかを解説します。
①障害者グループホーム(生活援助)に対する利用料
③就労サービスやデイサービスなどの利用料
障害者グループホームやデイサービス、就労支援サービスといった障害福祉サービスでは、障害者総合支援法が定めるサービス利用料が必要になりますので、費用に応じて支払わなければなりません。
サービス利用料は、利用する事業所や施設の人数・規模によって異なりますので、事前に確認しておきましょう。
基本的に福祉サービス利用料は1割負担になりますが、所得によって自己負担額が変わってきます。
所得というのは、利用者本人と配偶者の所得になりますので、結婚をしていない場合であれば、利用者本人前年度の所得が反映されます。
自己負担額としては、年収が300万円までの方であれば自己負担額は0円になりますが、300万円以上になると自己負担額は337,200円支払う必要が生じてきます。
あくまでも、利用者本人と配偶者の所得になりますので、今までの預金やご両親と暮らしている場合に、両親に収入があったとしても自己負担額への影響はありません。
②障害者グループホーム(共同生活援助)を利用するにあたって必要となる食事費など
家賃のように補助制度があるものは、費用を抑えることが出来ますが、障害者グループホームの場合他にも費用がかかってきます。
代表的なものが、食費、水道費、光熱費、家賃があります。
障害者グループホームは市町村の自治体が管理しておらず、費用は事業所を運営している法人が定めるために、施設によって異なる上に上限も設けられていません。
そのため、施設や事業所が独自に定めた金額を支払う必要があります。
多くの施設や事業所は、年金や両親の収入内で共同生活を送ることになりますので、家賃や食費、光熱費などは無理のない値段に設定されています。
また、障害者グループホームの場合には『家賃補助制度』があり、事前に申請すると家賃の費用を抑えることが出来ます。
「市町村民税非課税世帯」や「生活保護」を受けている方は、入居者1人あたり、上限1万円まで助成してもらうことが出来ます。
家賃が1万円以下の場合には、その金額に応じて補助してもらえますので、障害者グループホームでの自己負担額を抑えるためにも、一度自治体へ問い合わせをしてみましょう。
このように、家賃のように補助が出るものもありますが、多くの利用料はそれぞれの施設が決めることになっておりますので、一度どの程度費用がかかるのかを確認しておくことが大切です。
④就労サービスやデイサービスを利用する際に必要な食材費
障害者グループホームを利用する方の中には、デイサービスや通所サービスを受ける場合があります。
その場合、昼食代がデイサービスの事業所へ支払わなければなりません。
障害者グループホームの場合、食材費が自己負担になりますが、実際にかかる金額については直接施設や事業所へ問い合わせをしておきましょう。
⑤その他の諸費用
①~④はどの施設や事業所でもかかってくる費用になりますが、上記以外にも施設によっては費用の負担があるケースがあります。
レクリエーション活動の費用であったり、医療費、被服費、お菓子などの嗜好品費、日用品費などは利用者が負担することになります。
どの事業所も無理な金額設定にはされておらず、数百円から数千円程度になりますが、こちらも施設や事業所によって値段設定は異なりますので注意が必要です。
ただし、医療費については障害者医療費助成制度で減額される他、自治体によっては無料の所も多くあります。
他にも、障害者グループホームの備品を誤って壊してしまった場合の賠償責任保険や、入院時の付き添い費、成年後見人費用など様々なプランが用意されています。
障害者グループホームの入居を決める前に、諸費用としてどの程度かかるのか確認しておきましょう。
4、【参考】実際にかかる費用の例
障害者グループホームへ入居した時に、どの程度費用がかかるのかはわかりませんよね。
多くの障害者グループホームでは、入居を希望した時に、どの程度費用がかかるのかというシュミレーションを行ってくれますので、費用の目安を立てることが出来ます。
今回は実際に障害者グループホームで負担しなければならない費用の実例を紹介します。
先ほど解説したように、実際に家賃などの費用は施設や事業所によって大きく異なりますので、自己負担額の上下はあります。
あくまでも参考例としてご覧ください。
◆障害者グループホームでの費用例
家賃 |
40,000円 |
*補助制度有り |
光熱費・水道代 |
10,000円 |
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食費 |
27,000円 |
朝食400円、夕食500円の場合 |
障害者福祉サービス費 |
約9,000円 |
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雑費 |
その都度 負担 |
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上記はあくまでも一例になり、実際には家賃は補助制度がありますので、減額することが出来る可能性がありますし、障害者福祉サービス費や食費も障害区分によっては減額されることがあります。
雑費では、レクリエーション活動費などがありますが、驚くような金額になることはまずありません。
このように、障害者グループホームでは無理な金額に設定されていることはまずありませんが、実際にいくらかかってくるのかは個人が望むサービスや、障害の程度によって大きくかわってきます。
障がい者グループホームの利用を考えている場合には、まずはグループホームへ直接相談してみましょう。
また、サテライト型住居を希望している場合も家賃や光熱費が別途かかってくる可能性がありますので、相談しわからない所がないようにすることが大切です。
5、まとめ
障害者グループホームでの生活は保険制度を利用することは出来ませんが、障害者グループホームでのサービスでデイサービスや訪問看護といったサービスを利用する場合には介護保険や医療保険制度を利用することが出来ます。
障害者グループホームを利用する限り、費用を負担することは必須になりますので、最初にわからないことや不安に思うことははっきりと伝えておくことが大切です。
多くの障害者グループホームでは、利用する前の面談や契約日には、費用が毎月どの程度かかるのかを示してくれますので、しっかりと確認しておきましょう。