訪問看護で利用することが出来る『レスパイトケア』とは?

訪問看護のサービス内容としては、たくさんの支援やサービスがあります。

その人にとって重要な医療行為の介助であったり、入浴や排泄の支援、自立支援といった利用者に対する支援やサービスが代表的ですが、自宅療養を行う家族への支援やサービスもとても大きくなります。

医療行為といった専門的な介助だけでなく、生活を共にしていく上で精神的な面をサポートしていくことも訪問看護の役割になります。そんな、家族へのサービスの1つであるのが『レスパイトケア』です。今回は『レスパイトケア』について詳しく紹介します。

 

1、在宅療養は家族にも大きな負担がかかることが多い

在宅療養は入院のような決まりはなく本人と家族、そして医療関係者によって形成されます。在宅療養は病院に長期にわたり入院するのではなく、住み慣れた安心できる場所から通院を行い自宅で医療行為を受けることで、本人の精神的な安定を図り充実した生活を送ることが出来ます。

普段に近い生活を行い、家族とのコミュニケーションを積極的にはかることが出来ますので、QQL(生活の質)を向上し持病の悪化を防いだり良い方向へ向かうことも期待できます。本人にとってもメリットもありますが、家族にとっても一緒に過ごす時間が増えることは在宅療養の魅力の1つで、特に終末期の患者であれば在宅療養で残りの時間を共に過ごしたくさんの思い出を作ることが出来ます。

在宅療養は患者にとって身体的な面はもちろんのこと、精神的な面でも大きなメリットがあります。

しかし、その反面専門的な医療ケアであったり、生活の介助、介護といったように、家族にとっては在宅療養が始まることでめまぐるしく生活が変化していきます。病院であれば、薬を飲むために用意することも、医療的なケア(ストーマやカテーテルなど)も看護師が行ってくれます。

また、排泄や入浴に関しても入院中であれば専門的な知識をもった介護福祉士や看護師などが行ってくれますが、在宅療養の場合には基本的な看護は家族になります。そうなると、慣れない医療的なケアやいつか起きるかもしれない緊急事態に対しての不安など、心身共に大きな負担になってしまいます。

在宅療養に家族の協力は必要不可欠といっても過言ではありません。

在宅療養を行うためには、家族によって看護師などの代わりを24時間体制で行ってもらわなければならないのです。医療的なケアに慣れることに加え、利用者の精神的な支え、緊急事態への不安など目には見えない負担が発生することがあり、それが大きくなってしまうと安らぎやリラックスする魅力がある在宅療養が息苦しくなってしまいます。

現在、在宅療養は第3の病院と言われるくらい推進されており、在宅療養を選択する人も増加しています。

自分の慣れた味付けの食事で、自分の安心できる場所で暮らすことが出来ることは、病状の回復や精神的な安定、充実した生活を送ることが出来ますが、家族の負担をいかに減らしていくことが、在宅療養をさらによりよいものへするために重要になってきます。

 

2、訪問看護で利用できる『レスパイトケア』とは?

家族の負担が大きいことがデメリットとして囁かれている在宅療養ですが、服薬や排泄や入浴の世話、医療的なケアなどを家族が全て行っていくのにはかなり厳しいのが現状です。というのも、サポートを行う家族は24時間看護や介護だけをしていればよいのではなく、自分の仕事や生活をも行っていかなければなりません。

ですので、どうしてもサポートや支援を行いたくても出来なかったり、今まで入院していた家族と一緒に過ごす楽しみがありつつも負担に感じてしまうことがあります。

負担に感じる理由としては、慣れない介護や看護で足腰を痛めてしまったり、自分の趣味や娯楽、休息に割く時間が取れないためにストレスを溜め込んでしまいます。このように、家族と一緒に過ごすことが出来て嬉しい反面、ストレスや緊張、不安の重圧から看護に対して抵抗が出てきてしまうと、在宅療養自体が辛くなってしまいます。

こうならないために、介護や看護する人はストレスや負担を減らし多くの人が連携してストレスを緩和ていくことが求められます。

訪問看護の大きなメリットとして、利用者の生活のサポートや医療ケアを行うことに加えて家族への精神的なサポートがあります。

出来る限り訪問看護内で行える支援やサポートを行っていき、精神的、肉体的な負担を軽減するという点があります。それが訪問看護における『レスパイトケア』です。

『レスパイトケア』のレスパイトとは「小休止」や「一時中断」という意味で、育児や介護、看護において家族が一時的に看護から解放されるという目的があります。そのために、訪問看護や公的なサービスを利用して看護や介護の変わりとなるサービスを行い、その間家族の休息時間を作るようにします。

『レスパイトケア』は家族の負担を軽くし、より良い在宅療養を行うためのきっかけになるサービスの1つです。

3、『レスパイトケア』で利用できるサービスには種類がある

では、レスパイトケアにはどのようなサービスがあるのでしょうか?レスパイトケアの代表的なサービスとしては『デイサービス』『ショートステイ』『レスパイトケア入院』があります。

 

『デイサービス』

デイサービスとは、要介護認定を受けた方が利用できるレスパイトケアの1つです。要介護認定を受けた人が、介護施設で1日を過ごすことが出来るので、家族は利用者を見送った後は自由時間になり、自分の時間を持てるようになります。介護施設で利用者は、食事や入浴といった基本的な生活を送りながら、レクリエーションやゲームを過ごします。介護福祉士やヘルパーがいるので、安心して利用者を送ることが出来ますし、送迎もきちんと行ってくれますので時間ギリギリまでゆっくりと過ごすことが出来ます。

多くは歌を歌ったり、詩を詠んだりして過ごすことがありますが、季節によってはお祭りやクリスマスパーティーといったイベントが用意されていたり、その人にとって必要であればリハビリを行うことが出来ます。このように、事業所によって特色がありますので、どの事業所でデイサービスを行うかを検討することが大切です。

デイサービスは公的な施設ではなく、民間の企業が運営していますが現在は多くのデイサービス施設がありますので、家からの距離や支援内容などしっかりと熟考しましょう。

デイサービスは介護保険の適用が可能ですが、要介護認定の度合いによって利用する日数や内容が異なってきます。

要介護認定で「要支援」の場合であれば介護予防サービスになり、「要介護」であれば介護サービスになります。要支援の人であれば、介護福祉用具のレンタルに制限がかかってしまったり、介護タクシーの利用は出来ませんが、要介護の方であれば、どちらも利用することが出来ますのでさらに介護を行う負担を減らすことが出来ます。

利用日数も介護保険の給付額内で行うと、要介護1~2では週に3回程度になりますが、要介護5になると毎日デイサービスを利用できるようになります。もちろん、要介護1の人が毎日デイサービスを利用出来ないというわけではなく、たくさん利用するとその分費用もかさんできますので介護保険を利用して経済的負担を減らすとなると、利用できる日数は週に3回程度になってしまいます。

要介護認定が低くても、育児がまだまだ大変であったり、仕事の都合で日中の介護が行えないとなると利用回数を増やすことも可能です。自分の生活状況がどういった様子で、どの程度デイサービスを利用したいか、自己負担が増えてもよいのか、範囲内で収めたいのかというった事をケアマネージャーとしっかりと相談し、利用日数を検討していくことが大切です。

デイサービスを上手く活用して負担を減らし、休息や自分の時間の補填を行うようにすることで気分転換になりより良い介護へ繋がっていきます。

『ショートステイ』

ショートステイもデイサービスと同様で、レスパイトケアの代表的なサービスの1つです。デイサービスの場合は、1日自宅から離れ事業所で過ごすことで介護者や家族の負担を減らすことが出来ますが、ショートステイの場合には一定期間を事業所に泊まり、日常生活のサポートを行ったり、食事の提供、リハビリやレクリエーション活動を行ったりする宿泊型のサービスです。

ショートステイは介護が負担に感じた時はもちろんのこと、家族で旅行に出かけたい場合や、数日間用事で家を空けなければならない場合などに利用することが出来ます。ショートステイは施設に完全に入居するのではなく、あくまで一定期間のみの宿泊です。宿泊機関は1泊2日から最長で30日まで利用することが出来ますので、必要な分活用することが出来ます。

ショートステイは、数日間介護から離れることが出来ますので、心身共にゆっくりと過ごすことが出来ます。そのため、非常に人気の介護サービスで時期によっては中々予約を取ることが出来ないことがあります。旅行や冠婚葬祭といった日にちをずらすことが出来ない用事の場合であれば、時間に余裕を持って相談しておくことが大切です。

ショートステイを行うことが出来る事業所は大規模な福祉施設が多くなりますが、現在では小規模の福祉施設でも併設されていることがありますので、どの施設でショートステイが利用できるのか、費用はどの程度かかるのかということをケアマネージャーを通じて相談しておきましょう。基本的には福祉施設の併設されているショートステイを利用することになりますが、ショートステイは完全に自費であれば、要介護認定の程度に関係なく利用することが出来るのが1つのメリットです。自費ということでかなり費用は高くなりますが、介護保険を利用しないで利用することが出来る施設も増えてきていますので、それらも視野にいれて検討していくことが大切です。

『レスパイトケア入院』

訪問看護においてレスパイトケアの多くは、介護支援が必要な方がデイサービスやショートステイを利用して、家族や介護者の負担を減らすことがメインになっています。しかし、デイサービスやショートステイで介護保険を利用するとなると、給付の面から要介護認定を受けていることが必要になります。

しかし、介護保険は本来年齢が65歳以上の方が対象になりますので、64歳以下で医療保険による訪問看護を受けている人はデイサービスやショートステイを利用することが出来ません。しかし、病気や障害が元で在宅療養を行っている場合も、介護と同様に家族には医療ケアや生活の介助を行わなければならないので大きな負担がかかってきます。

医療ケアであれば、常に神経を張り巡らせていなければなりませんし、体調が急変した時も迅速に対応できるようにしておかなければなりません。病気や障害が原因で、精神的に不安定になってしまうケースも多く、その看護にあたる人や家族は心身共に疲れてきてしまいます。

そういった時に利用できるのが『レスパイト入院』です。レスパイト入院は名前の通り、在宅療養を行っていたものの、家族がリフレッシュしたり旅行といった事情により、在宅療養を行うことが困難な場合に利用することが出来ます。

レスパイト入院では、医療管理が必要でかる介護保険によるショートステイが利用出来ない人が対象になります。病院によって、対象になる病気や病状は異なりますのでかかりつけ医やケアマネジャーとよく相談して検討することが大切です。レスパイト入院で対象になる病気や病状の一例としては

 

・高齢のがん患者           ・自力歩行や排泄が困難な方

・胃ろうなどの経管栄養や静脈栄養の方 ・気管切開をしている方

・夜間吸引が必要となる方       ・神経難病の方など

 

といった病状が挙げられます。上記で紹介したのはあくまでも一例になりますので、レスパイト入院を希望する病院によって異なるためにしっかりと対象となるか確認しておきましょう。

レスパイト入院は、あくまでも一時的な入院になりますので治療や検査を行うことはありません。ですので、日ごろから服用している薬は持参しなければならず、当日入院先で用意してもられることはないので注意しましょう。

レスパイト入院を利用できる日数も病院によって定められている日数はバラバラで、2週間が限度という所もあれば、平日しか出来ないという病院もあります。日ごろから通院している病院でレスパイト入院を行えることが多いので、利用する日があるかもしれないと感じる場合には事前にかかりつけ医に相談しておきましょう。

レスパイト入院ではまず、かかりつけ医に相談し事前予約をとっておきます。またこちらも年末年始やゴールデンウイークには希望者が多く利用出来ない可能性があります。利用する流れとしては、主治医に相談した上で入院予約を行います。診療情報提供書や入院申込書、限度額適用認定証といった必要な書類を事前に提出しなければならないことがありますので、いつまでに提出しなければならないか、どういった手順をふまなければならないかなどを各病院に確認しておきましょう。

このように、レスパイトケアを行うことが出来るサービスは増えつつあります。

しかし、利用できる範囲に制限があったり、店員が決まっているので利用したくても利用出来ない人がいます。誰もがまんべんなくレスパイトケアを受けることが出来るようになることが今後の課題になるでしょう

4、まとめ

在宅療養において介助を行う家族の負担を減らすことが出来る『レスパイトケア』。

レスパイトケアは、在宅療養を行うことで起きる精神的、肉体的な負担を減らすことが出来るので、リフレッシュしまた介護や看護の活力にすることが出来ます。しかし、レスパイトケアを利用したくても店員が少なかったり、希望する日数が必ず受けられるとは限りません。

正月やゴールデンウイークといった繁盛期などであれば、かなり前に予約を取らなければ受けられないことがありますので、余裕を持って申請しておきましょう。

先ほど述べたように、在宅療養は利用者だけでなく家族のサポートが必要不可欠です。暖かい家族に包まれて生活を行いながら、医療ケアや生活を行っていくことで、病状が快方へ向かうことが出来ます。家族にとっても一緒に生活を送ることが出来ることは大きなメリットがありますが、やはり介護や医療ケアといったサポートの責任を考えると負担が大きくなってしまいます。

レスパイトケアは、こういった家族の精神的な負担を減らすと共に、新たな気持ちでサポートを行うことが出来るためにも重要な役割を担っていくことになるでしょう。介護や看護は長期間続くことになりますので、訪問看護のサービスを上手に活用しながら時には息抜きをしながら、患者と向き合うことが大切になります。

この記事を書いた人

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